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金沢市の税理士小酒義幸事務所が解説する法定相続分の基本と実務対応
相続や事業承継は、多くの方にとって人生で数回しか経験しない大切な出来事です。しかしながら、法律や税務に関する知識が不足しているために、遺産分割や相続税の納税で思わぬトラブルに発展するケースは少なくありません。特に法定相続分は、民法で定められた基本的な取り分の基準であり、これを理解することが相続全体をスムーズに進める第一歩となります。金沢市に拠点を構える税理士小酒義幸事務所では、地域の皆さまに寄り添い、わかりやすい説明と的確なアドバイスで安心できる相続・事業承継のサポートを行っています。本記事では、法定相続分を中心に、その計算方法や具体的な事例、遺留分との違い、さらに実務上の注意点まで詳しく解説していきます。

法定相続分の基本概念
法定相続分とは何か
法定相続分とは、被相続人が遺言を残さなかった場合に、法律上定められた割合に従って相続人が財産を取得する仕組みのことです。相続は本来、被相続人の意思を尊重するべきものですが、遺言がない場合には公平を保つために法定相続分が適用されます。法律で明確に割合が決められているため、家族間の争いを避ける基準としての役割を果たしているのです。
法定相続分の重要性
相続の場面では、家族全員が納得できる分割を実現することが理想ですが、現実には意見の対立が生じやすいのも事実です。法定相続分はその出発点となり、具体的な遺産分割協議を進める際の基礎資料として活用されます。特に土地や建物、事業用資産といった分割が難しい財産が含まれる場合には、法定相続分の理解が欠かせません。
遺言との関係
被相続人が遺言を残していた場合、その内容が優先されます。しかし遺言の内容が相続人の取り分を極端に減らすようなものである場合、最低限の権利を保障する遺留分が認められています。この制度は相続人の生活を守るために設けられており、遺言と法定相続分の両立を図る仕組みといえます。

実務における注意点
法定相続分を誤解したまま遺産分割協議を進めると、登記申請や税務申告の際に差し戻しを受けることがあります。また、分割方法が不公平だと感じる相続人が後から不満を訴え、長期的な紛争に発展することもあります。こうしたリスクを回避するには、専門家の立ち会いのもとで協議を行い、正確な割合に基づいた分割を心がけることが大切です。
将来の法改正の可能性
近年、家族の形態は多様化しており、法律が想定していなかったケースも増えています。内縁の配偶者や事実婚、国際結婚などに関連する問題は、その代表例です。こうした社会の変化に対応するため、将来的に法定相続分に関する法改正が行われる可能性もあります。金沢市の税理士小酒義幸事務所では、最新の法改正や判例の動向を常に把握し、依頼者が安心して備えられるようにサポートしています。
法定相続人の種類と順位
配偶者の相続権
配偶者は常に相続人となります。子どもがいる場合はその子どもと一緒に、子どもがいない場合は親や兄弟姉妹と一緒に相続します。配偶者は生活の基盤を守るために厚く保護されており、その取り分は他の相続人よりも多めに設定されることが一般的です。
子どもの相続権
子どもは直系卑属として最優先の相続人です。複数の子どもがいる場合は、均等に相続分を分け合う仕組みになっています。未成年の子どもが相続人となる場合には、特別代理人の選任など追加の手続きが必要になることもあります。
親の相続権
子どもがいない場合には親が相続人となります。親が健在である場合には配偶者とともに財産を相続します。親の生活を保障する意味合いが強く、配偶者と親の間で分割される割合は慎重に考えられています。
兄弟姉妹の相続権
子どもも親もいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹の取り分は比較的小さいですが、家族の血縁関係を大切にする観点から法律上位置づけられています。兄弟姉妹に遺留分はありませんので、この点を理解しておくことが重要です。
代襲相続の仕組み
相続人となるべき人がすでに亡くなっている場合、その子どもが代わりに相続することを代襲相続といいます。甥や姪が登場するケースが代表的で、代襲相続の存在があることで家系の継承が保障されます。ただし複数の代襲相続人が現れると分割が複雑になるため、専門的な知識が求められます。

法定相続分の計算方法
基本的な計算の仕組み
法定相続分の計算は民法に基づいて定められています。配偶者は常に相続人となり、他の相続人の有無によって割合が変動します。たとえば配偶者と子どもがいる場合は配偶者が2分の1、子どもが残りの2分の1を均等に分け合います。子どもがいない場合には配偶者と親が相続し、配偶者が3分の2、親が3分の1となります。親もいない場合は配偶者と兄弟姉妹が相続し、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を分け合います。このように法律によってあらかじめ定められた基準が存在するため、誰がどれだけ受け取るのかを公平に決定できるのです。
具体例を用いた計算
例えば金沢市に住む方が不動産と預金を遺して亡くなったと仮定します。相続人は配偶者と2人の子どもです。この場合、配偶者が2分の1を取得し、子どもがそれぞれ4分の1ずつを取得します。もし不動産が1つだけで分割が難しい場合には、売却して金銭で分けるか、代償金を用いて公平を図る必要があります。現実のケースでは財産の種類や相続人の意向によって柔軟な調整が求められるため、計算だけでなく実務的な工夫も必要になります。
計算を誤りやすいケース
法定相続分は一見単純に見えますが、実際には誤解しやすい点があります。例えば代襲相続が発生する場合、誰がどの割合を引き継ぐのかを正しく把握していないと不公平な結果になってしまいます。また特別受益や寄与分の考慮を怠ると、本来の法定相続分とは異なる結果を導き出してしまうこともあります。税理士小酒義幸事務所ではこうした誤解を防ぐため、具体的な数字を示してシミュレーションを行いながら説明をしています。
遺産の種類による影響
現金や預金のように分割が容易な財産と、不動産や自社株式のように分割が難しい財産では、法定相続分を実現する難易度が大きく異なります。特に地方都市である金沢市では、不動産の比重が大きいケースが多く、相続人が複数いると分割方法で意見が対立することが少なくありません。そうした場合には相続税対策や評価額の算定も含めた総合的な調整が必要となります。
実務上の注意点
法定相続分を守ることは重要ですが、必ずしも現実の遺産分割がそのままの割合になるわけではありません。話し合いによって柔軟に調整し、納得のいく形に落とし込むことが求められます。その際に重要なのは、誰もが納得できる根拠を示すことです。税理士小酒義幸事務所では専門知識をもとに公平で透明性のある提案を行い、トラブルを未然に防いでいます。
法定相続分と遺留分の違い
遺留分の定義
遺留分とは、被相続人が遺言によって財産を自由に分け与える権利を行使しても、一定の範囲内で相続人に最低限保障される取り分のことです。配偶者や子ども、親に認められていますが、兄弟姉妹には認められていません。遺留分の割合は法定相続分の2分の1とされており、相続人の生活を守る役割を果たしています。
法定相続分との違い
法定相続分が遺言のない場合に適用される割合であるのに対し、遺留分は遺言が存在しても最低限守られるべき割合です。つまり法定相続分は基準であり、遺留分は保障という違いがあります。この二つを混同すると、遺産分割や遺言の効力について誤解が生じてしまうため、正しい区別が必要です。
遺留分侵害額請求
遺留分を侵害された相続人は、他の相続人や受贈者に対して遺留分侵害額の請求を行うことができます。これは現物の財産を返還してもらうのではなく、金銭による補填を求める仕組みです。実務上は請求期限や手続きが定められており、対応を誤ると権利を失う可能性があります。
実務における留意点
遺留分を巡る争いは感情的になりやすく、家庭裁判所での調停や訴訟に発展することも少なくありません。特に金沢市のように不動産の割合が高い地域では、不動産をどう処理するかで意見が対立するケースが多いです。税理士小酒義幸事務所では、法定相続分と遺留分を踏まえて早期に合意形成を図る支援を行っています。
将来的な動向
少子高齢化や家族関係の変化により、遺留分制度の見直しが議論される可能性もあります。今後は国際相続や事実婚関係など多様なケースに対応するため、遺留分と法定相続分の在り方がさらに変化していくことが予想されます。こうした変化に備えることが、円滑な相続の実現に直結します。

法定相続分が適用されるケース
遺言がない場合
被相続人が遺言を残さずに亡くなった場合、相続は法定相続分に従って進められます。この場合、相続人全員が話し合いを行い、法律の割合を参考にして分割協議をまとめることになります。法定相続分は公平性を保つための指針として強い役割を果たします。
遺産分割協議がまとまらない場合
遺言が存在しない、あるいは遺言の内容に不備がある場合には、相続人同士で協議が行われます。しかし意見が一致しないことも多く、その場合は家庭裁判所での調停や審判へと進むことになります。ここでも基準となるのは法定相続分であり、裁判所はこれを前提に判断を下します。
相続放棄がある場合
相続人の一部が相続放棄をすると、その人は最初から相続人でなかったものとみなされます。結果として他の相続人の法定相続分が増えることになります。こうした影響を正しく理解していないと、後になって不公平感が生まれる原因となります。
特別受益がある場合
生前に被相続人から多額の贈与を受けていた相続人がいる場合、その分を考慮して法定相続分を計算する必要があります。特別受益を加算しなければ、他の相続人が不利益を被ることになるため、正しい算定が不可欠です。
実務での適用例
金沢市では土地や建物を中心とした相続が多く、特に兄弟姉妹が複数いる場合に法定相続分をどう反映させるかが課題となります。税理士小酒義幸事務所では、こうした実例に基づきながら公平な分割案を提示し、相続人全員が納得できる形に導いています。
事業承継と法定相続分
中小企業における事業承継の現状
金沢市を含む地方都市では、中小企業が地域経済を支える大きな柱となっています。しかし経営者が高齢化する中で、後継者への事業承継は大きな課題となっています。事業承継では経営権と財産権の両方が関わり、法定相続分が重要な影響を与えます。例えば会社の株式をどのように分配するかによって、経営の安定性が左右されます。分散相続によって株式が兄弟姉妹に分かれてしまうと、意思決定が難しくなり、企業の存続そのものが危ぶまれるケースも少なくありません。
株式相続と経営権の安定
会社の株式が遺産に含まれる場合、法定相続分の考え方に従って相続人へ分割されます。例えば配偶者と子どもが相続人である場合、株式は配偶者が2分の1、子どもが残りの2分の1を分け合うことになります。この結果、株式が分散してしまい、経営権の集中が難しくなることがあります。実務では、経営を担う後継者に株式を集中させるために、遺言や生前贈与を活用するケースが多く見られます。税理士小酒義幸事務所では、相続税の軽減措置も視野に入れた株式承継の設計をサポートしています。
経営者保証と相続人の負担
事業承継では、経営者個人が会社の借入金に連帯保証しているケースも多くあります。この場合、経営者が亡くなった時点で保証債務が相続され、法定相続分に従って分割されることになります。相続人が保証債務を負うことは大きなリスクとなり、場合によっては相続放棄や限定承認を検討する必要もあります。こうした状況を未然に防ぐため、経営者存命中から専門家と連携し、保証債務の整理や事前対策を行うことが重要です。

社員と家族の協力体制
事業承継は経営者と後継者だけでなく、社員や家族全体の理解と協力が不可欠です。法定相続分に基づく分割がそのまま実現されると、経営資源が分散し、事業の継続が困難になる場合があります。そこで社員と家族が一体となり、後継者中心の承継体制を築くことが大切です。金沢市の地域社会では、家族経営が多く、親族内の信頼関係を維持しながら承継を進めることが成功の鍵を握ります。税理士小酒義幸事務所では、事業承継における心理的な不安にも配慮し、安心できる体制づくりをサポートします。
長期的視点からの承継対策
事業承継は一度の手続きで終わるものではなく、長期的な視点で準備を進めることが求められます。法定相続分の仕組みを理解した上で、遺言の作成、生前贈与、株式の集中、相続税対策などを段階的に行うことが理想です。将来を見据えて計画的に承継を進めることで、経営の安定性と家族の公平性を両立させることができます。税理士小酒義幸事務所では、金沢市の企業が100年続く組織を目指せるよう、財務・税務の両面から支援を行っています。

よくある質問 Q&A
相続放棄をした場合の影響はどうなりますか
相続放棄をすると、最初から相続人ではなかったとみなされます。そのため放棄した人の法定相続分は他の相続人に再分配されます。例えば子どもが3人いて1人が放棄した場合、残りの2人で分けることになります。放棄は家庭裁判所での手続きが必要で、期限は原則として3か月以内とされています。金沢市での実務経験から言えるのは、相続放棄は簡単そうに見えてもその後の税務申告や登記に大きな影響を及ぼすため、慎重に判断することが必要です。
特別受益がある場合はどう扱われますか
特別受益とは、生前に被相続人から多額の贈与や住宅取得資金の援助を受けたケースを指します。この場合は相続財産にその分を加算して法定相続分を計算します。例えば長男が生前に住宅資金1000万円をもらっていた場合、その1000万円を相続財産に戻して全体を再計算します。これを特別受益の持ち戻しと呼びます。公平を保つために非常に重要な仕組みであり、実務では必ず確認するポイントです。
代襲相続はどのように適用されますか
相続人となるべき人が先に亡くなっている場合、その子どもが代わりに相続することを代襲相続といいます。例えば長男が父より先に亡くなっていた場合、長男の子どもが代襲相続人となります。割合は亡くなった長男が相続するはずだった法定相続分をそのまま引き継ぐ形になります。甥や姪が登場するケースでよく問題となるため、事前に仕組みを理解しておくことが大切です。
遺留分侵害額請求とは何ですか
遺留分を侵害された相続人は、他の相続人に対して金銭で補償を求めることができます。これを遺留分侵害額請求と呼びます。実務上は現物の財産を返還するのではなく、金銭で支払うことが一般的です。請求期限は相続開始から1年以内に行使しなければならず、過ぎると権利を失うため注意が必要です。金沢市での相談でもこの点を誤解している方が多いため、専門家のサポートが有効です。
相続税と法定相続分の関係はありますか
相続税の基礎控除や課税方式は、法定相続分を基準に計算されます。たとえば遺産を誰がどのくらい取得したかにかかわらず、まずは法定相続分で分けた場合の税額を算定し、それを基準として各相続人の納税額を求めます。実際には分割内容によって税額が変動するため、シミュレーションを行って最も有利な形を検討することが重要です。税理士小酒義幸事務所では相続税申告のシミュレーションを重視してご提案しています。
兄弟姉妹に遺留分はありますか
兄弟姉妹には遺留分は認められていません。したがって遺言で財産を配分されなかった場合でも、最低限の取り分を請求することはできません。この点は誤解が多い部分で、実際に金沢市での相談でも「兄弟姉妹にも権利があるはず」と考える方が多くいらっしゃいます。遺留分の対象は配偶者、子ども、親に限定されているため、兄弟姉妹がいる家庭では遺言の作成が特に重要です。
遺産分割協議がまとまらないとどうなりますか
相続人全員が合意しなければ遺産分割協議は成立しません。まとまらない場合には家庭裁判所での調停や審判に進むことになります。ここでも判断の基準となるのは法定相続分です。裁判所は法定相続分を基本にしつつ、特別受益や寄与分を考慮して最終的な判断を下します。家庭裁判所での手続きは時間も費用もかかるため、できるだけ早期に専門家に相談することが望ましいといえます。

まとめ
相続において法定相続分は、すべての出発点となる大切なルールです。遺言がある場合でも最低限の保障として遺留分が存在し、相続人同士の公平性を保つ役割を果たします。しかし実際の遺産は不動産や事業用資産など分割が難しいものも多く、計算どおりには進まないことも珍しくありません。金沢市にある税理士小酒義幸事務所では、相続分の計算や遺産分割の協議、さらには相続税の申告に至るまで総合的にサポートを行っています。相続や事業承継の問題は早めに相談することが解決への近道です。どんな些細なことでもお気軽にご相談いただければ、地域に根差した専門家として最適な解決策をご提案いたします。
